2025.11.2 聖霊降臨後第21主日礼拝 説教要約
イザヤ書 1章10節~18節
テサロニケの信徒への手紙に 1章11節~2章2節
ルカによる福音書 19章1節~10節
本日は、「ルカによる福音書」を中心にみ言葉に聴いてまいりましょう。
本日の聖書の箇所にエリコという町が出てきます。そこにイエス・キリストと弟子の一行が入ってまいりました。2節に「そこにザアカイという人がいた。」とあります。このザアカイという人は、「徴税人の頭で、金持ちであった。」ということです。徴税人は、異邦人の国であるローマ帝国の手先になって働き、徴収した税金の手数料をごまかしたりして私腹を肥やしていたので、ユダヤ人に嫌われていました。イエス・キリストがエリコの町に来たということで、半分興味本位でそのイエスという人を見たいと思って、彼は外に出て行ったのです。しかし、驚いたことに、イエス・キリストを木の上から見ようとしたときに、主イエスが上を見上げて、「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」とおっしゃったのです。ザアカイはそれを聞いてとても驚いたことでしょう。初対面のはずのイエス・キリストが、自分の名前をご存じであり、しかも「急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」とまでおっしゃったのです。それを聞いて、ザアカイは驚きつつとても喜びました。ザアカイは急いで降りてきて喜んで主イエスを家にお迎えしたのです。なぜ主イエスが、ザアカイの名前を知っていたのか。そして「今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」とまでおっしゃったのか。もちろんイエス・キリストは、神の御子であられますので、ザアカイがどういう人で、どういう人生を歩んできたかということをお見通しであったのでしょう。 5節に「今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」とありますが、これは直訳すると、「わたしはあなたの家に泊まることになっている」「泊まらなければならない」という意味です。「ザアカイは急いで降りて来て」とありますから、彼は本当に嬉しかったのでしょう。喜んで主イエスを自分の家にお迎えしたのです。そしてさらに、8節にあるように「ザアカイは立ち上がって、主に言った。『主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します』」とまで主に申し上げるのです。そのように主イエスにザアカイが申し上げたところ、主イエスは「今日、救いがこの家を訪れた。」とおっしゃったのです。 イエス・キリストはザアカイの名前を呼ばれて、家に泊まりたいとまで言ってくださいました。そのことに彼は大変感激し、喜んだのです。そのことによって、このザアカイは、思わず、「貧しい人に施します」「だまし取った金の四倍にして返します」とまで言ってしまったのです。このザアカイが本当に主イエスとの出会いを心から喜び、そのことによって、彼は「自分の財産を半分を貧しい人に与えます。」「だまし取った金を四倍にして返します」ということまで述べる。それまで人をだまして、お金をかすめ取って金持ちになったのでしょう。そしておそらく「それが何が悪い」と開き直って、孤独の中の人生を過ごしていたけれども、このザアカイが180度全く違う新しい人に変えられたのです。イエス・キリストとの出会いによって、彼は新しく生きる命を与えられたのです。 10節に「人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」とあります。「人の子」と言うのは、イエス・キリストのことですが、主イエスは、失われたもの、神の救いから離れてしまった者を捜して救うために来たのであるとおっしゃいます。イエス・キリストがこの徴税人ザアカイに呼び掛けてくださって、いわば失われていたものとして捜しておられたわけですが、そのザアカイを救い出してくださったのです。その前提としてザアカイも自分でははっきりと意識していなかったのですが、何となく今の暮らしが自分にとって本当に寂しいものだと思って、魂の飢え渇きを覚えて、その状態から救われたいと願っていたのでしょう。その彼のその願いに主イエスは応えてくださったのです。主イエスのほうから呼びかけてくださったのです。「急いで降りてきなさい。」「きょうはあなたの家に泊まることになっている」とまで言ってくださった、主イエスとの出会いに、本当に心の底からザアカイは小躍りして喜んだのです。 それではわたしたちはどうでしょうか。わたしたちもまた、失われたものではないでしょうか。わたしたちは、群れからはぐれてしまった一匹の羊に、かつてはなっておりましたし、そして今も神様に背き、神様に背中を向けて、神様の御手から離れ去ってしまう者たちではないでしょうか。神様から隠れようとしてしまうわたしたちに主イエスは呼びかけてくださる。呼び出してくださるのです。それはどこにおいてでしょうか。それは今、わたしたちがこの場で、今日ここでみ言葉に聴いているこの礼拝の場において、イエス・キリストがわたしたちに呼びかけてくださるのです。わたしたち一人一人に「今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい」と言ってくださる。そのように呼びかけていてくださるのです。それはこの礼拝の場においてわたしたちにも起こることです。一週間わたしたちは様々な思いで過ごして、この礼拝の場に再びやってまいりました。いろいろなことがあった一週間でしたけれども、そのままでいればわたしたちは、群れからはぐれた羊のように、どこかに行ってしまいかねない者たちです。そのようなわたしたちを礼拝のたびごとに主イエスは「今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい」と呼びかけてくださるのです。わたしたちは、その主イエスからの呼びかけ、御声に喜んで従うことができれば、イエス・キリストによって、新しく生まれ変わる恵みにあずかることができるのです。そのことを確信して、しっかりとみ言葉に聴いて、主の呼びかけに喜びをもってお応えし、喜びをもって主をお迎えすることができるように、そして、そのことによって新しい命に生かされた者として歩めるように祈り求めてまいりましょう。 閉じる